研究概要 |
1.B.deraceaの開花制御遺伝子を単離解析するため,開花に対して低温非要求性のブロッコリ(グリーンコメット)と低温要求性のキャベツ(安寿)を交雑し,そのF_2集団における開花日の変異とRFLP多型を調査した.また,同じく低温非要求性ではあるが,さらに極早生の'CrGC'と低温要求性のキャベツ(CR頂点)を交雑し,その後代において開花日の変異とRFLP多型を調査した. 2.ブロッコリ(グリーンコメット)×キャベツ(安寿)の交雑から得られたF_2集団,130個体おいて41個のRFLPマーカーで多型が検出され,MAPL(鵜飼1995)を用いてRFLPの連鎖解析を行ったところ,9個の連鎖群ができた. 3.'CrGC'キャベツ(CR頂点)F2の抽苔日数の分離を見ると、一年生開花習性個体はF2集団の7-8割を占めた。したがって、低温要求性は劣性形質と考えられ、Osbornら(1996)の結果と一致した。また、F_2は、'CrGC'型に寄っているが、3:1のように、完全な2つのタイプへの分離は示さず、抽苔日数が連続分布を示したことから、開花形質は複数の遺伝子によって支配されていることが示唆された。
|