ソバの受粉後14日の未熟種子cDNAライブラリーよりFA02・FA18遺伝子クローニングしたこれらの遺伝子は種子発達中に蓄積されるレグミン様タンパク質の遺伝子と相同性を示し、FA02遺伝子から予想されるアミノ酸配列はソバの主要なアレルゲンとして知られるBW24KDのN末端アミノ酸配列とf致した。レグミン様タンパク質の特性から、FA02タンパク質も分子量41.3kDaのαサブユニットと21kDaのβサブユニットの2つに分かれると考えられる。N末端アミノ酸配列と分子量よりBW24KDはFA02のβサブユニットであることが推測された。そこでFA02のβサブユニットに対する抗体を作成し、普通ソバとダッタンソバの種子タンパク質と反応させたところ複数のタンパク質と反応した。 そばアレルギー患者半数の血清中IgE抗体と反応を示した10kDaのソバ種子タンパク質(BW10KD)のN末端から類推される塩基配列から作出したプライマーを用いて3'RACE PCRを行った。この3'RACE PCR産物をプローブとしてソバ未熟種子cDNAライブラリーのスクリーニングを行い、Fe2SA1遺伝子をクローニングした。Fe2SA1遺伝子は2Sアルブミン種子貯蔵タンパク質と相同性を示した。類推されるFe2SA1アミノ酸配列は主要なアレルゲンである16kDa・18kDaと部分的に一致した。大腸菌のタンパク質発現系を用い、Fe2SA1タンパク質を発現させたところ、そばアレルギー患者の血清と強く反応した。
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