研究概要 |
1.シコクカッコソウについて:2001年の開花期に花色・花型などについて形質調査をを行うとともに,花弁を採取した.花色について色彩色差計による調査を行なった結果,紫色系,桃色系,紅色系および白色の4花色に分類できることが確認でき,交配実生では花色の幅が広がった.こうした交配実生とその親個体との花色の関係を検討した結集,紅色系は紅色系x紅色系または桃色系,桃色系は紫色系x紅色系の交配によって多く得られること,紫色系x白色の交配によっても白色個体が多く得られる組み合わせがあることなどが明らかになった.なお,花色素については,現在分析を進めつつある. 不定胚を用いた増殖系の可能性について検証を行った結果,エンブリオジェニックカルスの増殖は優れているものの,苗化効率はあまり高くなく,現時点では従来の無菌植物体の根片を用いた増殖方法の方が効率的であると考えられる.また,底面給水法や点滴給水法を組み合わせた栽培方法について予備的な栽培実験を行った結果,通常の灌水方法に比べ,夏季における枯死個体が少なく,生育が優れることがわかった. 2.その他の希少植物:ムニンノボタン2系統の形質調査を行った結果,系統間で樹形,葉や花の形態に違いが見られた.園芸化されているノボタン類に比べ,開花期間が短く,花数も少なかったが,東平産系統は樹形が優れており,着蕾を促進できれば,園芸的利用の可能性もあると考えられた.
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