1.mRNA抽出法の検討 RNA抽出法を検討し、グアニジン-塩化セシウム超遠心法を用いることに決定した。有窒素培地に播種し14日後の実生10gから約3.2mgの全RNAが得られたものの、無窒素培地、特に発芽直後の実生を用いると抽出液に粘性の高い夾雑物が生じ、全RNAは15μg/gFWと少なかった。Oligo(dT)-Latex粒子によるポリ(A)+RNAの精製法を用い、得られた全RNAの約1%がmRNAであった。 2.窒素含有量の異なる培地で育成したケイトウからのmRNA抽出 上記の方法で、播種後4、6、8、10、12、14日目にサンプリングを行い、-80℃で保管、サンプルの蓄積をはかっている。 3.無菌実生の硝酸還元酵素活性の変動 子葉・胚軸における硝酸還元酵素の活性変動を調べた。その結果、有窒素培地では4日目に活性のピークがみられ、その後漸減した。無窒素培地では有窒素培地と同程度の全タンパク質含量であったにもかかわらず、活性はほとんどみられなかった。 4.窒素含有量の異なる培地で育成した実生の花芽分化 窒素含有量の多少にかかわらず播種後50日前後に総苞が形成された。窒素含量が少ない培地では早く葉形成が停止するが、花序形成までに長期を要し、結果的に花芽分化時期は同時期となった。
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