研究概要 |
インドネシアでのトマト栽培に、Tomato leaf curl virtus (ToLCV) による被害が多発している。TLCVによるトマトへの被害を軽減する目的で、その媒介昆虫であるタバココナジラミ内部共生菌由来GroELタンパク質遺伝子を植物に導入するという新しい作物保護の方法について研究を行っている。ジェミニウイルス粒子はGroELと複合体を形成することによって、昆虫リンパ節通過時にウイルス粒子が崩壊されることなく唾液腺へ移行するものと推定される。そこで、酵母two-hybridシステムにより、GroELタンパク質はToLCV, Tomato yellow leaf curl virtus, Tobacco leaf curl virusなどの外被タンパク質と結合するかどうかを確かめたところ、結合することを確認した。したがって、GroEL遺伝子導入植物を作出することができれば、タバココナジラミによって伝播されるジェミニウイルスに効果が期待される。GroEL遺伝子導入タバコを作出するため、GroEL遺伝子の全長(1688塩基)をバイナリーベクター(pBI121)に連結し、タバコに形質転換を行い、形質転換タバコを得ることがができた。現在、形質転換タバコにおけるGroEL遺伝子の発現並びにToLCVに対する応答について研究を進めている。
|