研究概要 |
1.宿主細胞周期停止に関わるウイルス初期遺伝子の同定と機能解析 AcMNPV感染によって宿主細胞周期の停止が誘導される.この停止に関わるウイルス遺伝子を同定するため,ウイルス遺伝子のコスミドライブラリーを作成した.また,昆虫細胞に遺伝子を効率よく導入するため,トランスフェクション法の条件設定を行い,約70%の細胞に遺伝子が導入できる条件を確立した.今後,この条件を用いてコスミドDNAを細胞に導入し,ウイルス遺伝子の解析を進める計画である.また,2本鎖RNAを用いたRNAi法の条件設定を行い,ここで用いる昆虫細胞での目的遺伝子の発現抑制のために有効であることを明らかにした. 2.細胞周期停止によるアポトーシス誘導解析 アポトーシスの測定法を確立するため,種々の要因,すなわちRNA合成阻害剤やタンパク質合成阻害剤の添加,UV照射,ウイルス感染によって昆虫細胞にアポトーシスを誘導し,顕微鏡による形態的な観察,DNA断片化の検出,カスパーゼ活性の測定および活性化カスパーゼの同定という点からアポトーシスの測定を行った.また,カスパーゼの活性化以前におこるアポトーシスに特徴的な細胞膜変化を検出するため,アネキシンV抗体を用いた検出条件の検討を進めている.
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