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2002 年度 実績報告書

核多角体病ウイルス感染による宿主細胞周期制御機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 13660059
研究機関名古屋大学

研究代表者

池田 素子  名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (20262892)

研究分担者 小林 迪弘  名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (60111837)
キーワードbaculovirus / AcMNPV / Sf9細胞 / 細胞周期
研究概要

Autographa californica MNPV(AcMNPV)感染によって,Sf9細胞の細胞周期はS期およびG2/M期でそれぞれ停止する.この停止は,単にウイルスがDNA複製のための基質を競合した結果ではなく,ウイルス感染によって積極的に誘導される現象である.そこで本研究では,ウイルス感染による宿主細胞周期の制御機構を明らかにすることを目的として,ウイルス遺伝子の探索および宿主細胞周期制御因子の感染に伴う発現変動を調査した.まず,細胞周期の停止はウイルス感染の初期に誘導されることから,ウイルス初期遺伝子の関与が予想された.そこでAcMNPVのコスミドDNAライブラリーを作製し,コスミドDNAを細胞にトランスフェクション法により導入することによって,細胞周期停止に関わるウイルス遺伝子の探索を進めた.つぎに,細胞周期制御に関わる細胞因子として,cdc2,サイクリンB, PCNAに注目し,ウイルス感染に伴う発現変動を,市販の抗体を用いて調査した.その結果,cdc2抗体およびPCNA抗体により検出されるそれぞれのタンパク質は,ウイルス感染によって核分画から消失することを明らかにした.哺乳動物においてcdc2の核分画からの消失とG2/M期での停止は一致していることから,この核分画からの消失機構を解析することによってG2/M期での停止のメカニズムが明らかになると考えられた.また,PCNAはDNA複製に関与するほか,細胞周期に関連する多くの制御タンパク質と結合することが知られており,ウイルス感染によるS期での停止,すなわち細胞DNA複製の停止は,PCNAの核からの消失と関わっていることが示唆された.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Iwahori, S.: "Comparative characterization of pcna genes from Hyphantria cunea nucleopolyhedrovirus, and two cell lines from the fall armyworm, Spodoptera frugiperda, and the fall webworm, Hyphantria cunea"J.Insect Biotechnol.Sericol.. 71. 25-34 (2002)

  • [文献書誌] Felipe Alves, C.A.: "Identification and characterization of Hyphantria cunea nucleopolyhedrovirus homologous repeated regions"Virus Genes. 25. 281-290 (2002)

  • [文献書誌] Felipe Alves, C.A.: "Characterization of Hyphantria cunea NPV gp64 gene and analysis of elements regulating its early promoter activity"J.Insect Biotechnol.Sericol.. 71. 141-150 (2002)

  • [文献書誌] Iwahori, S.: "Generation and characterization of Autographa californica nucleopolyhedrovirus mutants defective in pcna gene homologue"J.Insect Biotechnol.Sericol.. 71. 129-140 (2002)

  • [文献書誌] Ishikawa, H.: "Induction of apoptosis in IPLB-Ld652Y cell line infected with nucleopolyhedroviruses"J.Gen.Virol.. (in press).

  • [文献書誌] Kamiya, K.: "Genotypic variation of a wild isolate of Hyphantria cunea nucleopolyhedrovirus"J.Insect Biotechnol.Sericol.. (in press).

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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