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2003 年度 実績報告書

肥効調節型コーティング肥料の残留被膜生分解に関与する土壌微生物群の動態

研究課題

研究課題/領域番号 13660069
研究機関九州大学

研究代表者

境 雅夫  九州大学, 大学院・農学研究院, 助手 (20225775)

キーワード長鎖n-アルカン / 糸状菌 / PCR-DGGE / 強酸性茶園土壌
研究概要

強酸性茶園土壌中における長鎖n-アルカン(C_<30>)の分解を測定した結果,培養3週間目からC_<30>の減少が生じ,7週間目には完全に消失した。したがって,このような酸性土壌においてもC_<30>資化微生物が存在しており,長鎖n-アルカンが生分解することが分かった。この土壌からC_<30>資化微生物の探索を行った結果,細菌類は全く検出されなかったが,4種類の糸状菌が分離された。pH3.0での集積培養から1種類(strain AU22),pH5.0での集積培養から1種類(strain AU17),pH7.0での集積培養から2種類(strain AU7,AU8)がそれぞれ分離された。
分離菌同定のためSSU rDNA領域を用いた系統解析を行った結果,strain AU7は子嚢菌類に属するCordyceps sp.,strain AU8,AU17,AU22は接合菌類に属するMortierella sp.であることが明らかとなった。AU8,AU17,AU22は互いに高い相同性を示したため,同一の菌種であると考えられた。さらに,分離菌AU7,AU22について,異なるpHの培地条件下における長鎖n-アルカン資化能の解析を行った。その結果AU7はpH5.0,pH7.0の条件下では培養3週間目までに完全にC_<30>を資化していたが,pH3.0の条件下ではC_<30>資化能が阻害された。一方,AU22はpH3.0,pH5.0,およびpH7.0のいずれの条件下でも培養2週間目までに,完全にC_<30>を資化した。また,真核生物SSU rDNAに特異的プライマーによる酸性茶園土壌のPCR-DGGE解析を行った結果,優占的な糸状菌としてMortierella sp.の存在が確認された。
以上の結果から供試した酸性茶園土壌では,おもにMortierella sp.が長鎖n-アルカン生分解に寄与していることが推察された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Sakai, M.et al.: "Biodegradability of photodegradable coating materials used for coated fertilizers in agricultural soils"Soil Sci.Plant Nutr.. 49. 647-650 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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