研究課題/領域番号 |
13660084
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
宍戸 和夫 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (40087549)
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研究分担者 |
山崎 丘 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助手 (70301174)
梶原 将 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助教授 (10272668)
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キーワード | 担子菌 / 子実体形成 / DNA結合性 / 転写因子 / 標的遺伝子 / ヒダ(胞子形成器官) |
研究概要 |
シイタケの子実体形成のトリガーはAキナーゼを活性化するcAMPであり、Aキナーゼがリン酸化するタンパク質としてDNA結合性の転写因子PRIBとLe.CDC5がある。PRIBはZn(II)2Cys6ジンククラスターとbZIPモチーフを持ち、16bp5'-GGGGGGGACAGGANCC-3'がコンセンサス配列である。Le.CDC5はMYBドメインを有し、7bp5'-GCAATGT-3'がコンセンサス配列である。priBとLe.cdc5遺伝子は子実体形成初期において高程度に発現し、子実体成熟期においても発現している。mfbA遺伝子は子実体の成長に伴って発現し、成熟期で最も発現程度が高い遺伝子で、その産物MFBAタンパク質は細胞接着に関わるRGD配列の他にPHDフィンガーおよびSETドメインを持っている。これら3種類のタンパク質について以下の知見を得た。(1)PRIBが作用する標的遺伝子の1つ、出芽酵母YJR070cホモログ遺伝子は成熟子実体中で特異的に発現し、子実体のとくにヒダ(胞子形成器官)と柄で高発現していること、ヒダでは菌糸細胞の分岐部分で特異的に発現していることが分かった。(2)Le.CDC5が作用する標的遺伝子を含む3.7kbと3.9kbのDNA断片の全塩基配列を解析した。その結果、上記7bpコンセンサス様配列がそれぞれの断片に4つあるいは2つ存在し、それらにLe.CDC5が結合した。3.7kb断片中にNADH-ユビキノンオキシドレダクターゼに部分的相同性のあるタンパク質をコードする遺伝子が存在した。(3)MFBAタンパク質の昆虫細胞内生産を試みたが巧くいかなかった。SETドメインについてコンピューター検索した結果、ヒストン(H3)リジン残基のメチル化活性が示唆された。
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