研究概要 |
1.cDNA differential display法による生体防御に係わる遺伝子の検索 バクテリアを接種したエリ蚕脂肪体に特異的に誘導される遺伝子を検索し,8種のDNA断片を得た.それらをプローブとしてエリ蚕の免疫化脂肪体ライブラリーを検索し,リゾチームcDNAと3種の新規アタシンcDNAをクローニングした.リゾチームとアタシンはタンパク質も単離し,その一次構造と一致することを示しすと共に,それらの性質を明らかにした.その他のDNA断片についても,クローニングを行っている. 2.ペプチドグリカン認識タンパク質の単離とその性質 カイコ5令幼虫体液中のペプチドグリカン(PGN)と特異的に結合するタンパク質を検索し,3種のタンパク質を単離した.そのうちの一種のN-末端20残基のアミノ酸配列は,カイコ核多角体病ウイルス(BmNPV)増殖促進タンパク質(PP)と完全に一致した、このタンパク質のPGN,キチン,LPSなどに対する結合樹生をプラズモン共鳴装置並びに^<125>I-PGNを用いて測定し,その性質を明らかにした.また,エリ蚕幼虫体液から,PGN認職タンパク質(PGRP)を単離し,上記の方法によりPGNに対する結合を直接測定し,その結合特性を初めて明らかにした.これら以外にも数種のPGN結合タンパク質が検出され,それらについても単離を進め,PGN結合特性について検討を行っている.
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