研究概要 |
強力な植物ホルモン活性が期待されている1・デアザプリン誘導体を調製的に合成した。既に合成した7-フェニルエチニル-1-デアザプリンリボシドおよびその遊離塩基の生理活性を比較するために、幾つかのアリール基をもつ7-アルキニル体を合成した。7-ヨード-1-イミダゾ[4,5b-]ピリジントリアセチルリボシドと脂肪族アルキンをパラジウム-銅触媒存在下でクロスカップリングを行ってアルキニル基を導入し、新規な7-アルキニル-1-デアザプリン-トリアセチルリボシドを得た。アンモニア飽和メタノールで脱アセチル化して対応するリボシドに導き、更にリボシドを酸分解して遊離塩基を調製した。リボシド6種類、および遊離塩基について6種類、計12種の新規化合物を合成し、それらの構造を機器分析で確認した。また、アルキニル体に対して、メチルメルカプタンを付加反応させ、アルケニル体を得た。4種類のアルキニル体リボシドは、(Z)体の収量が(E)体よりも優先した。しかし、1-ナフチル基を置換基にもつアルキニルリボシドは(Z)体のみを与えた。以上合成によって、9種類の新規化合物を得た。 得られた化合物のサイトカイニン活性はヒモゲイトウ幼芽のベタシアニン色素生成試験および、タバコカルス細胞増殖試験で評価した。その結果、脂肪族置換基を持つ化合物の中では、4-メチルペンチニル体の遊離塩基が中程度からやや弱い活性を示した。いっぽう、芳香族アリール置換基をもつリボシド、遊離塩基、およびアルケニルリボシドの中では、3-メトキシフェニルエチニル体および、3-フルオロフェニルエチニル体の遊離塩基が極めて強い活性を示し、ほぼベンジルアデニンに匹敵した。とくに、3-メトキシ基の導入は活性の増強に極めて効果的であることが判明した。また、この化
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