研究概要 |
規格の異なる道路によって構成される路網の適切な量と配置について検討を行なった。また、地域森林環境をエコツアーによって利用する場合の、低規格の道路整備の条件について検討した。 起伏量の大きさ、傾斜など指標値の異なる地形の複雑さをもつ山畠地形を対象として、路網配置および、作業利用上の条件を設定して、路網の配置について地形と路網の評価指数とを比較検討した。道路の規格を林道、低規格の作業道と鋼製の軌条を走行する軌条に搭乗するモノレールに区分して検討したが、道路を開設する地域の広がりA、起伏量Rや傾斜Sによって、区分毎の適切な道路延長が異なる結果を得た。それらと、規格区分された道路の勾配林道:I_F、作業道:I_O、モノレール:I_Mによって、道路延長の比率をそれぞれa,b,cとして、R=A/S(10aI_F+20bI_O+cI_M, H=A^<1/2>(aI_F+bI_O+cI_M),a+b+c=1,a,b,c>0らの関係式で表すことができた。数量的関係をモデル化した場合には、概念的には起伏量の増加がモノレールの適用を有効とし、対象地面積の増加は林道規格の道路の適用を有効とし、傾斜の増大は作業道規格の道路の適用を有効とすると見なすことができた。それら単独では、起伏量が100m増加すると、路網延長比率においてモノレールは4%増加し、林道は5%減少させ、対象地面積100haの増加が林道比率を18%増加させ、作業道を19%減少させることが推測された。 エコツアーでは、環境保全の観点から、地形条件に合った規格の道路基盤整備が必要であることを確認した。
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