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2003 年度 実績報告書

氷期・間氷期の気候変動が植生に与えた影響

研究課題

研究課題/領域番号 13660150
研究機関京都府立大学

研究代表者

高原 光  京都府立大学, 農学研究科, 教授 (30216775)

キーワード最終間氷 / 最終氷期 / 植生変遷 / 気候変動 / 酸素同位体ステージ / 花粉分析 / 火山灰 / AMS年代
研究概要

平成13年度に,京都府船井郡八木町の神吉盆地の水田において採取した約40万年におよぶ深度46.35mの堆積物と同船井郡日吉町蛇ヶ池で採取した過去2.5万年間の堆積物について13万年前から現在までの堆積物の花粉分析を行った。その結果,下記の植生変遷が認められた。これらの変遷は,放射性炭素や火山灰による年代測定値などから、海底堆積物で認められている酸素同位体ステージ(MISステージ5eから1)に対比できた。
[神吉堆積物]
最終間氷期
MIS 5e(13万年前-12万年前):アカガシ亜属が優勢で,モミ属,ツガ属,スギなどの針葉樹が伴っていた。また,現在では,屋久島,南西諸島にしか自生していないサルスベリ属が共存していた。
最終氷期
MIS 5d〜5a(12万年前-7万年前):スギ,コウヤマキ,ヒノキ科の温帯性針葉樹が優勢であった。これにブナやコナラ亜属の樹木が伴い,5d〜5aの各ステージでそれぞれ増減を繰り返した。
MIS 4(7万-6万年前):ツガ属,トウヒ属,マツ属単維管束亜属(五葉松)のマツ科針葉樹林が発達し,その後,ブナも増加した。
MIS 3(6万年-3万年前):ヒノキ科樹木が最も優勢となり,コナラ亜属がこれに伴っていた。
MIS 2(3万年-2.5万年前):モミ属,ツガ属,トウヒ属,マツ属などのマツ科針葉樹が優勢で,ブナ,コナラ亜属の冷温帯性落葉広葉樹が伴っていた。
[蛇ヶ池堆積物]
MIS 2(2.5万年-1.2万年前):モミ属,ツガ属,トウヒ属,マツ属などのマツ科針葉樹が優勢で,カバノキ属が伴っていた。
MIS 1
1.2万年-6千年前:1.2万年前にブナが優勢となるが,火災の影響で,クリとコナラ亜属が優勢となる。
6千年-2.5千年前:スギ,ヒノキ科,ブナ,アカガシ亜属などが優勢となる。スギは2.5千年前に最も優勢となるが,その後,火災の影響で,落葉広葉樹の2次林へ変化した。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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