研究概要 |
森林内の初期侵入性外生菌根菌の分散と定着の現象を解明するために,モデルとして,アンモニア菌であるHebeloma spoliatumアシナガヌメリを選択した.野外集団のコロニーを調査するために,野外実験区を東京大学千葉演習林(千葉県天津小湊町)のアカガシ・スダジイが混じるモミ林に,10 x1mの方形区を3箇所設け,平成14年4月から5月かけて尿素処理をおこない,その後に発生する子実体を,平成14年に引き続き,平成15年6月から平成16年2月にかけて,合計10回の現地調査をおこなった.3箇所の方形区からアシナガヌメリ子実体を採集・分離した。また発生した子実体の位置は平面図にプロットした.得られたアシナガヌメリのコロニー識別ならびに集団構成を明らかにするため,マイクロサテライトDNAの探索を試みた。まず、マイクロサテライトの構成要素であるSimple sequence repaetsを含むPCRプライマーをもちいてPCRを行った。プライマーとしては、5'-DDB(CCA)5-3',5'-DHB(CGA)5-3',5'-YHY(GT)5G-3'を使用した。種々の条件検討の結果、5'-YHY(GT)5G-3'を用いたPCRにおいて複数のバンドの増幅が認められた。そこで、本PCR産物をクローニング・塩基配列を決定し、マイクロサテライト近傍の片側に存在する特異配列を得た。現在、ペアーとなる特異配列の探索を行っている。
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