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2002 年度 実績報告書

紙の表面とバルクに関する考察

研究課題

研究課題/領域番号 13660156
研究機関東京大学

研究代表者

江前 敏晴  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (40203640)

キーワード表面 / バルク / 水銀圧入法 / 塗工法 / 空隙率 / 摩擦係数 / 水溶性高分子 / バインダーマイグレーション
研究概要

紙の表面がどこまでかというテーマの中で、一つは、昨年度に引き続き紙間摩擦に注目した。ISO規格に準拠した新しい装置を使用し、正確な測定値を得ることができ、特に大きな粒径をもつ摩砕炭酸カルシウム(GCC)の沈降性炭酸カルシウム(PCC)に対する比率を大きくすると、予想とは反対に(特に動)摩擦係数を低下させることがわかった。摩擦中の平滑化効果によるものと考察した。もう一つは、塗工紙製造工程におけるにSBラテックスのマイグレーションに及ぼす各種水溶性高分子の影響について調べた。塗工紙の塗工層は紙の表面を形成しているが、さらにその最表面は塗工層内部と異なる組成を持つことがある。バインダとして用いられるSBラテックスが急速な乾燥工程で表面に移行する現象であり、このマイグレーションをセルロース系高分子が特異的に抑制する現象を明らかにした。これらの実験から次のことがわかった。
(1)炭酸カルシウム系の塗工でGCCの比率をPCCに対して大きくすると摩擦係数は低下した。表面の平滑性と逆相関を示し、手抄き紙での結果と反対となった。
(2)摩擦工程における平滑化効果を共焦点レーザー顕微鏡による表面形状測定により確認した。
(3)カルボキシメチルセルロース、セロウロン酸、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース系高分子は、ラテックスのマイグレーションを抑制した。荷電や粘度がその原因ではなく、直鎖状の構造が、顔料粒子間の緩いネットワークを形成し、ラテックス粒子をトラップしていることが示唆された.
以上、今年度の当初の計画をほぼ達成した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 江前敏晴, 濱田仁美, 居福健司, 野田貴治: "水銀浮力法による紙及び塗工層の空隙率測定"平成15年度繊維学会年次大会予稿集. (印刷中). (2003)

  • [文献書誌] Hamada, H., Enomae, T., Shibata I., Isogai, A., Onabe, F.: "Effects of water soluble cellulosic polymers on coating development and quality"Proceedings of PITA Coating Conference, Edinburgh, Great Britain (March 4-5,2003). 91-95 (2003)

  • [文献書誌] Enomae, T., Yamaguchi N., Onabe F.: "Influence of coating properties on paper-to-paper friction of coated paper"Proceedings of 11th International Printing & Graphic Arts conference, ATIP, Bordeaux, France (Oct. 1-3,2002). (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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