研究概要 |
通導組織(道管や仮道管)の構造と配列の異なるスギ・クスノキ・ケヤキの3樹種の生木の蒸散量とAE発生の関係を調べ、蒸散量すなわち樹幹内の水分の通導量とAE事象率との間に密接な関係があることがわかった。さらに、それぞれの樹種について成木の幹から採取した木部試験片を使用し,減圧注入により水を通導させ、AE発生特性と水分通導量、水圧の圧力差を計測し、また、通導組織の内径と実際に通導に用いられた通導組織の数を測定し、流体力学的に検討した結果、樹木中の一定時間あたりの通導量すなわち流速は、ポアズイユの式に従い、圧力差、通導組織内径、通導組織数によって決定されることが確認された。AE発生数は通導組織数と相関性を示した。また、AE発生は流速がある任意の値に達するまでほとんど見られず、その値を超えると流速に比例し発生することがわかった。
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