研究課題/領域番号 |
13660183
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
古丸 明 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (10293804)
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研究分担者 |
河村 功一 独立行政法人, 水産総合研究センター・遺伝育種部, 主任研究官
西田 睦 東京大学, 海洋研究所, 教授 (90136896)
後藤 太一郎 三重大学, 教育学部, 助教授 (90183813)
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キーワード | 雄性発生 / ヤマトシジミ / タイワンシジミ / 移入種 |
研究概要 |
今年度は利根川河口域で採集されたシジミ類の貝殻を精査し、ヤマトシジミ以外に河口域に生息する移入種が最低3タイプいることを確認した。これらのうち2つのタイプは雌雄同体であり、精子は非減数であった。水温を上昇させて産卵をうながし、受精卵の減数分裂分裂過程を観察した。その結果、第一減数分裂時に全ての卵の染色体は2個の極体として放出されていた。その時期には卵内には精子由来の雄性前核のみが存在した。この雄性前核のみが第一卵割中期染色体となった。卵は鰓内の保育嚢内で発生し浮遊期を欠いていた。 雌雄異体のタイプは精子は減数型であり半数体となっていた。受精卵を観察した結果、第一分裂、第二分裂の後に、雌性前核と雄性前核が形成され、両者の染色体が混合して、両性生殖していることがあきらかになった。受精卵は体外で発生しトロコフォーラ、ベリジャー幼生は浮遊期を持っていた。 移入種3タイプからDNAを抽出し、ユニバーサルプライマーを用いてPCR反応によりミトコンドリア遺伝子の増幅を試みた。その結果16srDNA領域、C01領域が増幅可能であった。今年度は16srDNA領域の塩基配列を一部解析し、日本産シジミ3種と河口域で見いだされた移入種3タイプの塩基配列から系統樹を予備的に作成した。その結果、雌雄同体型はタイワンシジミと判断され、雌雄異体型は明らかにセタシジミとは異なり、ヤマトシジミと近緑であるという結果が得られた。
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