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2002 年度 実績報告書

内因性ホルモンによるカレイ目マツカワの免疫賦活

研究課題

研究課題/領域番号 13660192
研究機関北里大学

研究代表者

高橋 明義  北里大学, 水産学部, 助教授 (10183849)

キーワードマツカワ / プロオピオメラノコルチン / メラノトロピン / 脳 / 下垂体 / マクロファージ
研究概要

(1)(i)マツカワ、Verasper moseri、の下垂体では3種類(A, B, C)のプロオピオメラノコルチン(POMC)遺伝子が発現する。逆転写ポリメラーゼ連鎖反応により、POMC-A cDNAは脳下垂体のみで増幅した。サザンハイブリダイゼーション(SH)でも、下垂体のみで発現が認められた。(ii)POMC-B cDNAの増幅は脳下垂体のみで認められた。SHでも下垂体で強い発色が認められた。また、脾臓、精巣、筋肉、白血球、無眼側皮膚などにおいても発色が認められた。(iii)POMC-C cDNAの増幅は下垂体、脳、心臓、脾臓、頭腎、肝臓、胃、腸、精巣、卵巣、筋肉、有眼側皮膚、無眼側皮膚において認められた。SHでも、これらすべての組織に発色が認められた。以上の結果、POMC-A遺伝子とPOMC-B遺伝子は主に下垂体で発現するが、POMC-C遺伝子は下垂体をはじめとする多くの組織で発現することがわかった。
(2)(i)マツカワ稚魚を白、黒および黄色水槽で飼育したところ、有眼側および無眼側皮膚ともにPOMC-C遺伝子の発現量は黒色水槽群の方が白色水槽飼育群よりも高かった。(ii)脳でのPOMC-C遺伝子の発現に差は認められなかった。(iii)マツカワ未成魚を白および黒色水槽で飼育したところ、下垂体中葉におけるPOMC-A, BおよびC遺伝子の発現量は、黒色水槽飼育群の方が白色水槽飼育群の値よりも高かった。以上の結果から、下垂体と皮膚におけるPOMC遺伝子の発現は背景色の影響を受けることがわかった。
(3)α-MSHの添加により白血球の活性が抑制された。しかし、ホルモン処理後に刺激物のホルボールミリスタートアセタートあるいはリポポリサッカライドを添加した場合には再現性のある結果が得られなかった。マツカワ白血球の活性に対するα-MSHの効果を明らかにするためには、実験条件を再考する必要がある。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Takahashi A, Amemiya Y, Yasuda A, Meguro H, Kawauchi H: "Mass spectrometric detection of proopiomelanocortin (POMC)-related peptides following molecular cloning of POMC cDNA in bigeye tuna, Thunnus obesus"Fish. Sci.. 68. 1073-1080 (2002)

  • [文献書誌] Watanuki H, Takahashi A, Yasuda A, Sakai M: "Alpha-melanocyte-stimulating hormone modulate secretion of interleukin-β in carp Cyprinus carpio leukocytes"Fish. Sci.. 91. 1227-1228 (2002)

  • [文献書誌] Takahashi A, Yasuda Y, Sullivan CV, Kawauchi H: "Identification of proopiomelanocortin-related peptides in the rostral pars distalis of the pituitary in coelacanth : evolutional implications"Gen. Comp. Endocrinol.. 130. 340-349 (2003)

  • [文献書誌] Watanuki H, Sakai M, Takahashi, A: "Immunomodulatory effects of alpha melanocyte stimulating hormone on common carp (Cyprinus carpio L.)"Vet. Immunol. Immunopathol. 91. 135-140 (2003)

  • [文献書誌] Takahashi A, Amemiya Y, Nozaki M, Sower SA, Kawauchi H: "Aquatic Genomics"Nobuyoshi Shimizu, Takashi Aoki, Ikuo Hirono, Fumio Takashima. 432 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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