研究概要 |
平成15年度では,平成13〜14年度に引き続き,各月1回(2〜3日),東海大学所属の北斗(20トン)を用い,駿河湾内の定点で魚類プランクトン調査を実施した。採集層は表層,100→10m層,200→100m層,350→200m層である。表層では1.3×1.2mの角型ネットを水平曳きし,他の3層では口径1.3mのリングネットを斜め曳きした。ネットの網目の大きさは0.53mmである。平成15年度から,新たに,近底層でも調査を実施した。近底層の採集は三保半島に沿って岸とほぼ平行に水深200-300mの底上で行った。また,三保灯台の前面にある海底谷の水深200mから500mにかけての曳網を実施した。これらの近底層の採集も,毎月1回,実施した。卵と仔魚の種名を決定するために,沼津漁協において,ソコダラ科成魚を買い取り,DNAの塩基配列の読み取りを行った。 3年間の調査において,以下のことが明らかになった。 1.ムグラヒゲ?の卵と前期仔魚の形態 2.ヘリダラの卵と前期仔魚の形態 3.駿河湾におけるムグラヒゲ?とヘリダラ卵の分布 4.ムグラヒゲ?,トウジン?,ヘリダラ,サガミソコダラの仔魚の形態 ムグラヒゲ,トウジンについては,計数形質が重複する種のすべての塩基配列を調査していないので,まだ種名を決定していない。 【研究成果の発表】 平成15年度では,本調査で採集されたチゴダラ科のカラスダラの稚魚をIchthyological Researchに発表した。また,日本魚類学会年会において,サガミソコダラの仔魚の形態を口頭発表した。
|