研究概要 |
1.-20℃貯蔵におけるブリの普通筋の4-ヒドロキシヘキセナール(HHE),マロンアルデヒド(MA)およびカルボニル修飾タンパク質(CP)含量およびスーパーオキシドディスムターゼ(SOD)およびグルタチオンペルオキシダーゼ(GSH-Px)活性の変動を調べた。-20°C貯蔵においてHHE含量は貯蔵4週目まで増加、8-12週にかけて減少し、その後は28週目まで増加した。CP含量に関しては0°Cと同様に増加し続けた。 2.魚肉貯蔵中におけるHHE, MAおよびCP含量およびSODおよびGSH-Px活性変動におよぼす食塩の影響を調べた。食塩を添加した試料については、脂質過酸化の進行が認められ、MAおよびCP含量は増加した。しかしながら、HHEについては食塩添加による顕著な増加は認められなかった。 3.スモーク魚肉を分析したところ,スモークサーモンのあるロットにかなり高濃度のHHEが認められたが,魚肉ソーセージにおいては,ごくわずかの量のHHEしか認められなかった。サクラおよびスギ木酢液の添加はMA含量の増加を抑制するがHHE含量の増加を促進した。木酢液添加によりSOD活性は低下した。 4.カテキン添加によりHHEおよびCPの生成は抑制されたが,MAの生成については明確な傾向が得られなかった。 5.GSH-Px活性の変動と脂質過酸化との関係につては,これまでに行った貯蔵実験,食塩,木酢液およびカテキン添加実験において明確な結果が得られなかった。SOD活性に関しては脂質過酸化の進行との関わり合いを示唆する結果も得られている。
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