研究概要 |
1.すり身食品中の4-ヒドロキジヘキセナール(HHE)およびマロンアルデヒド(MA)含量を測定すると共に,食塩添加ブリ,タイおよびカンパチ肉中のその変動を調べた。すり身食品中に極微量HHEが存在した。食塩添加はブリ肉ではHHE生成を抑制し,カンパチ肉ではそれを促進し,マダイ肉ではそれに影響を及ぼさなかった。 2.Nacl添加ブリ筋肉中のHHE, MAおよびカルボニル修飾タンパク質(CP)含量の変動を調べた。NaCl添加によりMAおよびCP含量は増加したが,HHE含量は逆に減少した。さらにNaCl+FeSO_4添加によりMA含量は増加したが,HHE含量は減少した。以上の結果は,ブリ筋肉中ではHHEは脂質過酸化が進行している状況でその蓄積は抑制されることを示している。 3.α-トコフェロール、β-カロチン、およびα-トコフェロール+β-カロチンをカンパチに添加した後、4℃で貯蔵し、MAおよびHHE含量を測定した。β-カロテンの添加魚肉では、脂質過酸化抑制効果はあまり見られず、むしろMA生成を促進さる傾向があり、抗酸化剤としては適さないことがわかった。α-トコフェロール、およびα-トコフェロール+β-カロチン混合物0.10%添加魚肉では、脂質過酸化の抑制傾向が見られなかったが、0.05%添加魚肉ではMAの生成は促進したが,HHEの生成の抑制傾向を示した。 4.カンパチに,それぞれ0,0.05%,および0.25%アスタキサンチンを添加した。それぞれの試料を4℃で貯蔵し、MDAおよび含量を測定した。MDA含量は、7日目に0.05%区において生成が促進された。HHE含量は、3日目に0.2%区で生成が抑制されたが,7日日に0.2%区で生成が促進された。
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