研究分担者 |
耕野 拓一 帯広畜産大学, 畜産学部, 講師 (20281876)
澤田 学 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (60142791)
金山 紀久 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (00214445)
草苅 仁 神戸大学, 農学部, 助教授 (40312863)
茅野 甚治郎 宇都宮大学, 農学部, 教授 (40163729)
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研究概要 |
国産小麦の品質向上のための調査の結果,それには品種,肥培管理,収穫後の品質管理が重要である.前2者については近年新技術が登場しているが,実需者にとって問題なのは,品種の更新が実需者の製粉の品質調整のペースよりも早く行われる点である.これには,開発される品種が単一の品種に限られ,それが急速に,広範囲に普及してしまう点にある.2次加工はブレンドして使用することが多いから,ある程度ロットのまとまった品種であれば,地域ごとの栽培計画が必要である.またこれに対応して,収穫後の品質管理を蛋白含量,α-アミラーゼなどの化学成分による品質検査と水分の適正化を図る必要がある.現在利用されている小麦の乾燥施設をこのような方向に利用する方策を広域的に検討すべきである. 大豆の流通には近年大きな動きがある。これまで,食品用大豆の主役であったIOM大豆の需要は大きく後退して,バラエティ大豆が主流になったことである.このことは,食品用大豆における品質志向がいかに根強いかを示している.さらに,安全性志向から非GOM大豆,機能性食品志向の面から国産大豆への需要が大きくなってきている.非GOM大豆への需要は,アメリカ,カナダ産大豆から中国産や国産大豆へシフトさせており,これも近年の大きな変化である.こうした動きに対応して大豆のフードシステムは変わりつつあるが,最大の問題点は国産大豆の生産性が低いことである.このなかで,大豆の集出荷施設を建設している地域では実需者と提携して安定的な生産・流通を実現しているところがある.品種の銘柄化,生産の組織化,大手加工業者との契約的取引がその特徴であるが,これらの詳細については次年度の課題である.
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