研究目的を達成するために、本年度は地域振興目的で設立された第三セクターの功罪に関する資料収集とその分析を行った。また、第三セクターを活用した公共サービスの提供方法に代わる政策と期待されているPFIについて研究を実施した。 具体的には、第三セクターについては、資料収集とその分析を実施したPFIについては、国内の事例に関する資料収集とその分析を行った。そして、PFIの考え方の発祥地であるイギリスにおいて、資料収集及びPFI事例の実地調査を行った。 本年度における研究成果としては、中山間地域における公共サービスの提供方法として第三セクターの活用は功罪が認められることが指摘できた。また、PFIに関する研究においては、イギリスの調査結果により、日本とイギリスでは社会風土の違いから、イギリスで成功したPFIをそのまま導入することは無理があると思われた。本研究目的である中山間地域におけるPFIの活用については、イギリスにおいても事例が見あたらなかった。しかし、イギリスにおけるPFIの事例調査から、PFIの問題点がかなり浮き彫りになってきた。指摘された問題点は、コンサルタント費用が従来の公共サービスコストに比較して高額であること、PFI事業の受託民間業者が利益追求を優先しすぎ公共性がないがしろにされる可能性があること等であった。これらの問題点は、日本においても該当すると考えられ、今後日本がPFIを導入するに当たっての留意事項となると思われる。
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