研究概要 |
本研究は複数のロボットをネットワークに組み込んだ管理システムの構築を目指している.ロボットと人間や複数のロボット間をオープンで柔軟なネットワークで接続することにより,作業計画から作業中のロボットモニタリングはもちろんのこと,インターネットを介して有用な情報を収集し,農家がタイムリーな意思決定できるプラットフォーム構築を目指している.今年度は以下の研究を実施し,成果を得た. 1)無線LANプラットフォームの構築 無指向性アンテナを装備し,到達距離1〜3km,通信速度11Mbpsのものを使用した.本研究は北海道大学北方生物圏フィールド科学センター生物生産研究農場を使用して,庁舎屋上にアンテナを設置し無線LANを張った.庁舎建物から半径500mの範囲で複数のロボットトラクタと基地局がLAN接続された. 2)2台のロボットトラクタによる協調作業システムの構築 無線LANシステムの有効性を検証するために,ロボットを群として制御・管理できるシステム開発を行った.今年度は2台の農用移動ロボットによる協調作業システムの基礎理論ならびにその制御アルゴリズムについて検討した.2台のロボットトラクタ間に上下関係を持たせ,任意点移動における運動制御のシミュレーションを行った.また,移動障害物検知のためにRisk-Indexという概念も取り入れ,速度およびステアリング制御による衝突回避を可能にした.開発したシステムの有効性はシミュレーションとほ場試験によって検証した.
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