研究概要 |
本研究は複数のロボットをネットワークに組み込んだ管理システムの構築を目指している。ロボットと人間や複数のロボット間をオープンで柔軟なネットワークで接続することにより,作業計画から作業中のロボットモニタリングはもちろんのこと,インターネットを介して有用な情報を収集し,農家がタイムリーな意思決定できるプラットフォーム構築を目指している。今年度は2台のロボットによる協調作業システムの研究を実施し,以下の成果を得た。 1.開発した協調作業システムは追従作業を実現するもので,2台のロボットトラクタ間に意思決定者であるMasterと従事者であるSlaveといった上下関係を持たせたシステムを構成した。また,ロボットトラクタには航法センサであるRTK-GPSとFOGが搭載されており,無線LANを介して車両情報の通信を行わせた。 2.追従走行制御アルゴリズムを構築した。追従制御には,ロバスト性に富むスライディングモード制御を採用した。コンピュータシミュレーションを行った結果,Slaveが十分な追従精度で走行できることを確認した。その後,実際にロボットトラクタを使用した制御実験を行った。ロボットトラクタ1台で追従走行させた場合は,横方向偏差10cm以内,縦方向偏差20cmと良好な精度で走行できた。また,Masterは人が操縦し,もう1台を自律走行させた実験では,1台による実験に比べ精度は落ちたが,原因がMasterの方位角変動にあり,方位角を安定させることができれば走行精度の向上が期待できることを明らかにした。
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