研究概要 |
本研究は複数のロボットをネットワークに組み込んだ管理システムの構築を目指している。今年度は人間や他のロボットなど移動する障害物をロボットが認識できる方法論を2次元レーザー距離計を用いて構築した。さらに,2台のロボットによる協調作業システムを目指して,追従走行システムを開発し,ほ場試験を実施した。得られた成果をまとめると,以下のようになる。 1.レーザー測距器を導入することで,ローカル空間内の物体までの距離情報を得て,ロボットに周辺環境の変化に対応した判断を行わせた。この障害物認識によりロボットは危険回避動作も生成できるようになり,安全性の向上につながる。本研究では,その手始めとしてレーザー測距器を用いて移動障害物の方位,速度および形状・大きさの推定方法について考察した.スキャンごとに障害物座標を絶対座標に変換し,その座標群の代表となる点を設定し,そのベクトルの向きや大きさから障害物の方位,速度を推定した。また,レーザー測距器のスキャン情報を集約することで,障害物形状を点群マップによって表現した。 2.追従走行制御アルゴリズムを構築した。追従車両は速度と操舵角を逐次制御することで,任意の相対角・相対距離のもとで先行車両を追従することができる。ほ場試験では,先行車両は人間が操縦し,追従車両に自律走行させた。直線経路,蛇行経路,旋回経路など様々な経路の元で走行試験を行ったが,概ね相対距離は10cm程度,相対角が1°の誤差で,先行車両を正確に追従することができた。
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