研究概要 |
今回の研究で得られた主な成果は,以下に述べる。 1 慣行栽培様式と異なる自動間引き作業が容易にできるダイコンの新栽培様式を考案し,3年間のほ場栽培実験を通じて,新栽培様式は特にダイコンの生育に大きな影響もなく,同等かそれ以上の収量を得た。 2 本研究が提案した栽培方式は,慣行栽培方式と比較して,同等かそれ以上の収量が確保できるうえ,手作業による間引きの場合でも約75%の間引き作業時間短縮効果があることを明らかにした。 3 開発したダイコン幼苗の大津の方法による自動2値化認職アルゴリズムは,複雑なほ場の画像からも鮮明な幼苗画像のみを抽出することができた。 4 間引き対象となるダイコン幼苗を自動的に判定するために,ダイコン幼苗の投影面積の計測,即ちそれぞれの幼苗の大きさを推定できるアルゴリズムを構築した。計439組のダイコン幼苗画像に適用した結果,約97%の画像に対し,良好な結果を得た。 5 提案した自動2値化認識アルゴリズムは,ダイコン幼苗だけでなく,キャベツ,ハクサイ,枝豆,スイートコーンなどの幼苗認識にも有効であることを確認した。 残されている問題点として, 1 実用される場合,画像処理速度をさらに高速化する必要がある。 2 予算の関係で,問引き機械のハード部分を開発できなかった。今後民間会社との共同開発を模索する予定である。
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