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2002 年度 実績報告書

乳牛の新生子牛における白痢の発生要因の解明と防除技術の確立

研究課題

研究課題/領域番号 13660278
研究機関岩手大学

研究代表者

志賀 瓏郎  岩手大学, 農学部, 教授 (20003783)

研究分担者 岡田 啓司  岩手大学, 農学部, 助手 (60233326)
キーワード乳牛 / 新生子牛 / 白痢 / 母乳性白痢 / 牧草 / ビタミンA, E / 脂肪酸組成 / ミネラル含量
研究概要

平成14年度の研究は、2001年9月に本邦において、最初の牛海綿様脳症(Bovine spongi-form encephalopathy ; BSE)が発生したため、乳牛の飼料(肉骨粉、代用乳、人工乳を含む)の取扱いや飼養管理について厳しい対応が求められた事から、当初の研究計画を変更した。従来、粗飼料多給時には母乳性白痢は問題にならなかったので、近年の濃厚飼料多給が母乳性白痢と関係している可能性が考えられた。従って、本研究は母牛への飼料の質の違いが乳質に及ぼす影響について検討した。実験は、岩手大学農学部附属農場において、泌乳牛5頭を用い、一般的な飼養方法である配合飼料+粗飼料(対照区)から放牧による生草+粗飼料(実験区)に切り換え、8週に渡り乳質の変化を中心に調べた。
1)飼料成分:実験区は、対照区に比べて、粗繊維、粗脂肪中リノレン酸(C_<18:3>)の割合、灰分中KおよびCl含量、ビタミンA含量(添加物)が多く、粗脂肪中オレイン酸(C_<18:1>)およびリノール酸(C_<18:2>)割合、灰分中Na含量、ビタミンE含量が少なかった。
2)血液成分:実験区は、対照区に比べて、摂取量を反映して、血清のKおよびCl濃度、ビタミンA濃度は高く、Na濃度は低かった。しかし、血清ビタミンE濃度は摂取量に関係なく高かった。
3)乳汁成分:実験区は、対照区に比べ、濃厚飼料多給から牧草を主体とした粗飼料に切り換えたところ、泌乳量は減少したが、乳脂率は上昇し、中性脂肪中の不飽和脂肪酸、特にオレイン酸(C_<18:1>)およびリノール酸(C_<18:2>)の割合が増加し、摂取量とは反対の結果を示した。ミネラルは摂取量を反映して、KおよびCl濃度は高く、Na濃度は低かった。ビタミンAおよびE濃度は共に実験区が高かった。
以上の結果から、生草が乳汁の高品質化をもたらすこと事を示しており、生草給与により生産された牛乳は母乳としても理想的なものと考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 岡田啓司, 志賀瓏郎: "黒毛和種牛の分娩後乳量,乳成分および乳性状の推移"日本獣医師会雑誌. 54(3). 185-190 (2001)

  • [文献書誌] 岡田啓司, 志賀瓏郎: "黒毛和種牛における給与飼料変更後の胃汁および血液性状の変化と子牛白痢の発症"日本獣医師会雑誌. 55(4). 209-214 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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