栄養操作による艀化直後ヒナのインターロキン-2そしてインターフェロンγ産生増強による免疫機能増強の可能性を追求するとともに、インターロキン-4のクローニングを試みた。具体的には、艀化時に残存する卵黄を外科的に除去した(栄養素欠乏を人為的に作り出した)ニワトリにおける艀化後成長各時期におけるリンパ球機能(非特異的刺激物質を用いたインターロイキン-2産生や増殖能)や上記サイトカインメッセンジャ-RNA発現量を検討することにより、栄養操作による艀化直後におけるヒナの免疫機能増強の可能性を検討した。その結果以下ことを明らかにした。 (1)艀化直後の栄養欠乏は艀化直後のT細胞機能を低下させるばかりでなく、成長後期のT細胞機能の低下をもたらすことを明らかにした。 (2)艀化直後鶏ヒナへのキシリトールの給与はT細胞機能を活性化し、さらにその他消化器官の発達を促すことを明らかにした。T細胞機能の活性化にはインターロイキン-2ばかりではなくインターフェロンγの産生が大きく関与する可能性を示唆した。 (3)また誘導型一酸化窒素がT細胞機能の調節に重要であることを鶏でも示した。 (4)共役リノール酸やDHAなどの栄養素の給与はT細胞機能活性化だけではなく、T細胞の胸腺での機能分化にも関与する可能性をT細胞表面クラスター解析から明らかにした。 (5)インターロキン-4のクローニングを試みたが、哺乳動物に相同性の高いインターロキン-4を検出することはできなかった。 (6)PPARγが鶏T細胞でも発現していることをmRNAレベルで明らかにした。
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