研究課題/領域番号 |
13660282
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
保地 眞一 信州大学, 繊維学部, 助教授 (10283243)
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研究分担者 |
平林 真澄 (株)ワイエスニューテクノロジー研究所, 発生工学研究室, 室長
木村 建 信州大学, 繊維学部, 助教授 (20143993)
平尾 雅郎 北山ラベス株式会社, 伊那研究所, 室長
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キーワード | トランスジェニックウサギ / 前核期卵 / 凍結保存 / ガラス化保存 / 外来DNA / ヒト成長ホルモン / ゲルローディングチップ / クライオトップ |
研究概要 |
本研究の目的はトランスジェニック(Tg)ウサギの作製システムの中に組み込む前核期卵の凍結保存技術を確立することで、今年度に得られた結果は以下の通りである(Hochiら、Mol. Reprod. Dev.誌、2001)。1.5Mエチレングリコール(EG)+0.1Mシュクロース(S)の存在下で二段階凍結、または7.2M EG+1.0MSの存在下でガラス化したウサギ前核期卵の形態生存性(それぞれ74%と81%)は、1.5M DMSOの存在下で二段階凍結、または2.0M DMSO+1.0Mアセトアミド+1.0Mプロピレングリコールの存在下でガラス化したときの値(それぞれ46%と41%)よりも有意に高かった。しかし超低温保存卵の体外培養による胚盤胞発生能(ガラス化区で17%、凍結区で52%)は、新鮮対照区の89%と比較して有意に低くなった。次にウシαS1カゼインプロモーターとヒト成長ホルモン構造遺伝子を含む外来遺伝子(2.8kb)をEG+Sの存在下で凍結融解した前核期卵に顕微注入し、新生仔における外来遺伝子の有無をPCRによって調べた。凍結卵への顕微注入後の生存率(97%)は新鮮卵へのそれ(96%)と変わらなかったが、414個の顕微注入卵から得られた18匹の産仔のなかにTg個体は認められなかった。一方、新鮮対照区では403個の前核期卵に由来する52匹の産仔のうち3匹がTgウサギであった。これは凍結保存したウサギ前核期卵に由来する初めての産仔作出例になるが、Tgウサギの作製システムに組み入れる凍結手法としてはまだ未完成である。
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