研究課題/領域番号 |
13660297
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
武脇 義 岐阜大学, 大学院・連合獣医学研究科, 教授 (00021717)
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研究分担者 |
志水 泰武 岐阜大学, 農学部, 助教授 (40243802)
海野 年弘 岐阜大学, 農学部, 助教授 (90252121)
小森 成一 岐阜大学, 農学部, 教授 (70195866)
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キーワード | 循環動態 / 末消血流 / 神経 / 内皮細胞 / 相互作用 / 冬眠 |
研究概要 |
循環器における血流動態は生命維持に大きく関わっている。特に、末梢血流に関する神経と血管内皮細胞の相互作用は近年注目を集めている。本年度の研究から明らかになったことは、(1)抵抗血管である細動脈における支配神経はATPを伝達物質とするプリン作動性ニューロンであり、一方、生理活性物質の刺激により内皮細胞から遊離される因子は一酸化窒素やカリウムイオン以外の平滑筋細胞過分極因子であることを示した。(2)動脈の内径が100um以下の細動脈では、支配神経であるプリン作動性ニューロンの神経の刺激により平滑筋細胞の脱分極とそれに引き続いて収縮が誘発されるが、この直接効果をプリン受容体拮抗薬(P2X)によって予め阻止した下では、平滑筋細胞の過分極と弛緩反応を呈する。この平滑筋抑制効果は、血管内皮細胞の除去により消失することから神経刺激により遊離した神経情報伝達物質が血管内皮細胞に作用した結果生じたものと考えられる。動脈の内径が200um以上の動脈では、血管周囲神経と内皮細胞との相互関係は確認できなかった。以上の結果は、微小循環系において支配血管神経と内皮細胞は平滑筋への直接作用に加えて、間接的な相互作用により血流の調節に極めて重要な役割を果たしているものと示唆される。
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