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卵巣では卵胞の発育、排卵、黄体形成の過程が規則正しく周期的に繰り返されることで、妊娠の機会が維持される。従って、成熟動物の卵巣内には、各生育段階の卵胞や黄体が混在する。更に、これらは排卵周期に伴って、著しい増殖や退行を繰り返す。本研究では、このような卵巣組織構築に関わる局所機序と我々が新規に発見したアネキシン5の関与を明らかにすることを目的とした。3年間の研究成果は以下のように要約される。
1.プロジェステロン分泌とアネキシン5発現
ラットの黄体相である偽妊娠中期に黄体のアネキシン5が著しく減少することが明らかになった。これが、黄体刺激ホルモンであるプロラクチンの作用であることを明らかにした。
2.偽妊娠ラットのプロラクテン分泌を阻害すると、黄体細胞のアネキシン5発現が促進され、アネキシン5発現の増加した細胞でアポトーシスの誘導されることが明らかになった。
3.GnRHの関与
プロラクチン分泌抑制の効果は、GnRH受容体拮抗薬によって全て抑制された。従って、プロラクチンは卵巣局所におけるGnRHのアネキシン5発現促進作用とアポトーシス誘導作用を抑制することで黄体機能を促進していることが明らかになった。
本研究では、卵巣局所におけるGnRH受容体の機能とアネキシン5発現の関係を明らかにすることで、下垂体ホルモンが局所細胞間の機能統合を調節する新しい証拠を得るに至った。
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