1.キチン・キトサンにより誘導された肉芽組織中グリコサミノグリカン(GAG)、プロテオグリカン(PG)の動態 ウイスター系ラット(♀、300±20g)を用いて、ペントバルビタールNa(35mg/kg、i.p.)による全身麻酔下で背部皮膚にキチン(1.0および10mg/ml)、キトサン懸濁液(0.1および1.0mg/ml)および生理食塩水0.1ml含浸させたポリエステル不織布(1x1cm^2)を埋設し、4隅をナイロン糸で固定した。その後皮下組織および皮膚を常法にそって閉鎖した。7日目に動物を安楽死後、埋設材を回収し、組織標本を作製後グリコサミノグリカン(GAG)の測定のためアリューシャンブルー染色を、プロテオグリカン(PG)の測定のためサフラニンO染色を実施した。画像解析処理により、GAGではキチン群の方が他の2群より増加し、PGではキチン群が他の2群より減少していることが判明した。このことよりキチンは細胞外マトリックスの主成分であるGAGやPGの産生に関与していることが示唆された。
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