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2002 年度 実績報告書

右室リモデリングに対するアンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEI)の影響

研究課題

研究課題/領域番号 13660329
研究機関麻布大学

研究代表者

若尾 義人  麻布大学, 獣医学部, 教授 (20063969)

研究分担者 藤井 洋子  麻布大学, 獣医学部, 助手 (10318884)
金井 孝夫  東京女子医科大学, 医学部, 講師 (60104642)
武藤 眞  麻布大学, 獣医学部, 助教授 (90130898)
キーワード右室リモデリング / ACEI / PAバンディング / 犬
研究概要

平成13年度では、肺動脈狭窄(PS)を作成した後の心筋リモデリングに対するアンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEI)の影響を観察し、PS群およびPS+ACEI群間には、心エコー上、右室肥大の程度に大きな差異は認められない成績を得た。平成14年度では、これらの心筋リモデリングの程度を病理組織学的に画像解析によって定量化し、PS作成後における心筋リモデリング抑制の有無を検討すると同時に、右室心筋内ACE活性ならびにChymase活性を、ACEIおよびアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)を投与して、検討を加えた。その結果、右心肥大の初期においてはACEによるANGII産生が大きく関与し、長期的な右心肥大に関してはACEとChymaseの両酵素の活性によるANG II産生が右室肥大に大きく関与していることが示唆された。さらに、ACEI(エナラプリル)を投与した群では、右室壁厚、心筋細胞径および線維組織面積はPSのみ作製群と比較して差は認められず、ACEI投与では右室心筋リモデリングは抑制されないことを確認した。一方、ARB(カンデサルタン)投与群では、上記の壁厚、細胞径および組織面積は、PSのみ作製群およびACEI投与群と比較して有意に抑制されることを確認した。また、ACEI投与によってACE活性は抑制されたが、逆にChymase活性が上昇することも同時に確認された。
以上の成績から、ACEIの投与では右室心筋リモデリングの抑制は不可能であることが確認されたと同時に、その理由として、ACE活性が阻害されることによって、Chymaseを介したANGII産生系が活性化されることが示唆された。したがって、イヌの右室心筋リモデリングの抑制には、受容体レベルでANGII産生を抑制するARBの投与が極めて有効であると考えられた。

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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