研究課題/領域番号 |
13670002
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
伊藤 恒敏 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90004746)
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研究分担者 |
山岸 舞 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90332501)
曽我 浩之 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (20282121)
中村 雅典 昭和大学, 歯学部, 教授 (50180394)
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キーワード | 胸腺 / 胸腺リンパ球 / 分化 / 選択 / 表面マーカー / セルソーティング / 同定 |
研究概要 |
胸腺リンパ球の「選択機構」を明らかにするため、「選択機構」に直面する「選択」直前の胸腺リンパ球を同定することが本課題の目的である。セルソーターで「選択」直前あるいは「選択」前後の段階の胸腺リンパ球を分画・分取し、特異的に発現されるマーカーや遺伝子の解析を試みるのが狙いである。 今年度これまでに達成したことを以下に列記する。 1.セルソーティングの条件を確立した 2.細胞の大きさが予想以上に重要なパラメーターになることが判明したに着手:開発の目処が立った新しいパラメーターは本研究目的に有用であることが証明された 4.新しいパラメーターをセルソーターに組み込むことを検討着手 5.リンパ球活性化マーカーとされるCD69が必ずしも活性化マーカーとはいえないことを発見:「選択直後」の集団を探索する目的で、検索を集中的に行った。意外なことに、CD69陽性の胸腺リンパ球の中には中型のサイズでCD4・CD8のシングルポジティブのものに加え、小型でCD4・CD8ダブルポジティブのいわゆる「pyknosis」に既に陥っている細胞が多数観察された。このことはCD69が必ずしもその発現だけでは胸腺リンパ球の活性化マーカーとは認定できないこと、またCD69の発現だけでは「選択直後」の集団を同定できないことなどが明らかになった。 6.Cytospin(塗沫標本作製遠心機)を使ったin situ hybridization法あるいはin situ PCR法:細胞浮遊液から塗沫標本を作製し、塗沫標本上でのin situ hybridization法あるいはin situ PCR法の施行準備中 今後、次年度では新しいパラメーターでの分離、分取も含め、「選択」直前の胸腺リンパ球を同定し、それらの表面形質の詳細な解析と特異的遺伝子発現の解析を行いたい。
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