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2001 年度 実績報告書

腸管幹細胞を用いた胃腸膵内分泌細胞の再生と遺伝子治療の為の基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 13670010
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

藤宮 峯子  滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (10199359)

研究分担者 中村 高秋  滋賀医科大学, 医学部, 助手 (30314157)
キーワード腸管幹細胞 / 遺伝子導入 / Pdx-1 / 腸管内分泌細胞
研究概要

マウス由来のPdx1 cDNAをpcDNA3プラスミドに組み込んだベクターと、pcDNA3 emptyベクターをそれぞれIEC-6細胞にエレクトロポレーション法で導入した。これらの細胞をトランスメンブレン(Falcon cell culture insert)上で培養した。抗生剤G418に耐性のクローンのみを選びだし、Pdx1遺伝子の発現をNothern Blot法で調べ、Pdx1 mRNAを高濃度発現する細胞株IEC-6-YK14とIEC-6-YK15を樹立した。これらの細胞はIEC-6細胞の150倍のPdx-1 mRNAの発現を認めた。
YK-14細胞とIEC-6細胞の形態の変化を光顕的に調べたところ、IEC-6細胞はトランスメンブレン上で単層の敷石状の構造を示したが、YK-14細胞はさく状構造を示した。YK-14細胞がホルモン産生能を有するかどうかを調べる為に、免疫細胞化学を施行した。さく状構造を示した場所で、chromogranin A,serotonin,somatostatin,CCK,gastrin,PPが陽性に染色された。さらに、免疫蛍光2重染色で、これらの細胞は複数のホルモンを同時に産生することが明らかになった。しかし、insulin,glucagon,GLP-1,GIP等のホルモンの産生は認められなかった。
YK-14細胞の微細構造を電顕的に観察し、IEC-6細胞と比較した。IEC-6細胞は核/細胞質比が大きく、細胞質の細胞小器官が未熟であったが、YK-14細胞でさく状構造を示した場所では、扁平な細胞の上に別の細胞が重層する形態を示した。上に乗った細胞の細胞質には多数の分泌顆粒が観察され、分泌顆粒にはchromograninAの陽性反応が認められた。
各種転写因子のmRNAの発現をRT-PCRで調べたところ、正常ラットの膵臓では、NeuroD,ISL-1,Nkx-6.1,Pax6,Pax4が発現した。YK-14細胞ではNeuroD,Nkx6.1,Pax6の発現が見られたが、ISL-1,Pax4の発現は見られなかった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] S.Yamada, H.Kojima, M.Fujimiya, T.Nakamura, K.Kashiwagi, R.Kikkawa: "Differentiation of immature enterocytes into entero endocrine cells by Pdx-1 overexpression"Am.J.Physiol.Gastrointestinal Liver Physiol.. 281. G229-G236 (2001)

  • [文献書誌] T.Nakamura, A.Kishi, M.Fujimiya(他8人): "Insulin production in a neuroectodermal tumor that expresses islet factor-1,but not pancreatic-duodenel homeobox 1"J.Clin.Endocr.Metab.. 86. 1795-1800 (2001)

  • [文献書誌] T.Kaga, A.Inui, M.Fujimiya(他9人): "Modest overexpression of neuropeptid Y in the brain leads to obesity after high-sucrose feeding"Diabetes. 50. 1206-1210 (2001)

  • [文献書誌] A.Asakawa, A.Inui, M.Fujimiya(他8人): "Ghrelin is an appetite-stimulatny synel from stomach with structural resembrance to motilin"Gastroenterology. 120. 337-345 (2001)

  • [文献書誌] T.Kaga, M.Fujimiya, A.Inui: "Emerging functions of neuropeptide Y Y(2)receptors in the brain"Peptides. 22. 501-506 (2001)

  • [文献書誌] H.Kojima, T.Nakamura, M.Fujimiya(他8人): "Combined expression of pancreetic-duodenel homeobox 1,and islet factor1 induces immature enterocytes to pancreetic islet"Diabetes. (in press).

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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