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2001 年度 実績報告書

マウスモデルを用いた精原幹細胞純化系の開発とその不妊治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 13670012
研究機関京都大学

研究代表者

篠原 隆司  京都大学, 医学研究科, 助手 (30322770)

キーワード不妊治療 / 精原幹細胞 / 移植
研究概要

これまで我々は、精原幹細胞移植による不妊治療のストラテジーとして、ドナーの精巣より幹細胞を高度に濃縮する方法を確立、そのレベルをさらに高めることで効率の良い不妊治療を確立することを目指してきた。本年度われわれは、移植効率を改善する方法として、ホストマウスの年齢による効果を検討してみた。これまでの精原幹細胞移植実験においてはホストマウスとして、生後約4週を過ぎた性成熟を終えたマウスを用いている。今回の実験においては、我々はホストマウスが性成熟をむかえる前の生後5-10日目のマウスを対象にして移植を行った。この時期の精巣ではまだセルトリ細胞が成熟しておらず、成体で通常存在する細胞間のタイトジャンクション形成以前であり、こうした障害物がないために移植効率が飛躍的に上昇することが予想されたためである。
実際に精原幹細胞移植を行ったところ、未成熟マウスは成熟マウスに比較して、同数の幹細胞移植に対して9.4倍の数のコロニーが観察された。さらに、コロニー一個あたりの面積の評価によると、未成熟マウスにおいては幹細胞由来の増殖が約4倍亢進していることが分かった。
こうした幹細胞活性の指標の改善結果に基づき、未成熟マウスと成熟マウスの不妊回復能について調べてみたところ、6匹の成熟マウスが移植後も不妊であったのに対し、3匹中3匹の未成熟マウスの不妊回復が認められた。
これらの結果は精原幹細胞移植においては未成熟ホストを用いる方が幹細胞移植効率を約10倍程度改善し、さらに、不妊回復率をも高めることを示すものであり、不妊回復治療の更なる改善に貢献するものと考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Shinohara, T., Orwig, K.E., Avarbock, H.R., Brinster, R.: "Remodeling of the postnatal mouse testis is accompanied by dramatic changes in stem cell number and niche accessibility"Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 98. 6186-6191 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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