研究概要 |
通常の発現解析に用いられるnorthern解析とin situ hybridization法で解析した。 ゼブラフィッシュ発生の各段階でのゼブラフィッシュEos(z-Eos) mRNAの発現を,魚類を使っての研究の利点である発生の極初期の胞胚期から初期神経系形成期までを重点的にWhole mount in situ hybridization及び通常の切片でのin situ hybridization法で解析した。その結果、さきに、マウス胚において認められた神経胚より初期の段階、嚢胚期にz-Eosの発現が認められた。受精後24時間を過ぎた頃から、発現部位が頭部中枢神経系に限定された。in situ hybridization法での結果をnorthern解析により確認を試みたが、今のところ確認されていない。northern解析より感度よく発現を感知できるRT-PCRによる解析を採用して現在発現解析を試みている。 ゼブラフィッシュ初期胚においてz-Eos遺伝子の強制発現実験を試みる。まずover expression実験として、zEosのcoding strand RNAを2細胞期の受精卵の片側に注入した後somitogenesisの時期までの発生を観察した。同時に、z-Eos cDNAのDNA結合領域を欠いた変異遺伝子を作成しDominant negative効果の実験を試みた。その結果、z-Eosの過剰発現は高頻度で体軸形成と中枢神経系の形態形成異常誘引した。この事実は体軸形成、初期神経系の形成に係わる遺伝子郡goosecoid, no tail, Otx2, Eng3, Pax6, krx-20等のマーカー遺伝子の発現がz-Eosの過剰発現によって乱されるというover expressionでの結果とも一致した。
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