研究課題/領域番号 |
13670026
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
坂井 建雄 順天堂大学, 医学部, 教授 (90114488)
|
研究分担者 |
小泉 憲司 順天堂大学, 医学部, 助手 (40053342)
工藤 宏幸 順天堂大学, 医学部, 講師 (20161648)
栗原 秀剛 順天堂大学, 医学部, 助教授 (80311976)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
キーワード | 平滑筋 / 内皮細胞 / 足細胞 / 動脈 / アンジオテンシンII / 血管新生 |
研究概要 |
新たな血管網が形成されるモデルとして、ラット腎のThy腎炎モデルを解析した。Thy1.1分子はラットメサンギウム細胞の細胞膜上に発現する抗原で、これに対するモノクローナル抗体を静注すると、メサンギウム細胞が補体依存性に破壊され、毛細血管の拡張と癒合が起こる。そして一ケ月ほどの間に糸球体は自然治癒をし、糸球体毛細血管が再構築される。この経過を、血管鋳型の走査型電子顕微鏡観察によって詳細に観察したところ、既存血管の内腔が分断されて,裂かれるように分岐を生じる嵌入型の血管新生過程が起こっていることを示す所見が得られた。 アンジオテンシンIIは、最も強力な血圧上昇物質で、動脈壁の平滑筋細胞を強力に収縮させる。その作用がない状態に対し、平滑筋細胞がどのような挙動を示すかを、アンジオテンシンIIのAT1受容体を欠損したノックアウトマウスを調べた。その結果、血管の径に比して平滑筋細胞層が厚いこと、また過剰な平滑筋細胞が内腔面と間質面の両方で異常な走行を示すことを明らかにした。 特殊な型の血管壁の例として、糸球体の濾過障壁を取り上げ、その主要な構成要素である足細胞に着目している。この細胞を解析するために、糸球体から足細胞のみを分離する技術を、新潟大学の腎研究施設と協力して開発した。またこの細胞の特殊な細胞骨格と細胞間結合の分子構築についても、解析を進めている。とくに、スリット膜の基部に分布する分子としてpodocinとFATを新たに同定したことは、これまで未解明の部分が多かった、スリット膜の分子構築の研究に大きく寄与するものである。また接着結合の蛋白質であるp120 cateninの動態については筑波大学病理学教室との、微小管を含む一次突起の形成過程についてはHeidelberg大学解剖学教室との共同研究である。
|