ClC-2チャネルがM期サイクリン依存性キナーゼp34^<cdc2>/cyclin Bにより直接リン酸化されること、protein phosphatase 1により脱リン酸化されること、これが蛋白-蛋白相互作用により調節されることを明らかにした。また卵母細胞に発現させたCIC-2チキネル活性はリン酸化により抑制され脱リン酸化により活性化されることを明らかにした。 Western blotおよび免疫細胞染色の結果、ClC-2チャネル蛋白は細胞周期M期の分裂細胞に限局して発現し、細胞分裂後速やかに消失することが判明した。ClC-2はそのカルボキシ末端にPEST配列を複数有しており、PEST配列はユビキチン化を介して蛋白の短寿命に関わることが報告されている。事実、ClC-2チャネルはM期後半に限局してユビキチン化され20S-プロテアゾームシステムにより分解されることが判明した。CIC-2はM期特異的サイクリン依存性キナーゼ(p34^<cdc2>/cyclin B)により632番目のSer残基がリン酸化されるが、ClC-2チャネルのユビキチン化はp34^<cdc2>/cyclin Bによるリン酸化がトリガーとなる。 ClC-3Bは上皮細胞に特異的に発現し、その微絨毛先端に局在し、上皮特異的細胞骨格蛋白EBP50の蛋白相互作用に重要なモチーフPDZドメインを介して嚢胞性線維症の原因蛋白CFTRとカップリングする。CFTRは更にezrinと呼ばれる蛋白と結合することにょりprotein kinase Aとカップリングした。この一連の蛋白相互作用によりClC-3BはCFTR・protein kinase A依存性に活性化され、上皮細胞におけるイオン輸送に重要な働きをすることが示唆された。
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