研究課題/領域番号 |
13670058
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研究機関 | 山梨医科大学 |
研究代表者 |
有田 順 山梨大学, 医学部, 教授 (80128587)
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研究分担者 |
川嶋 健吾 山梨大学, 医学部, 助手 (70324184)
山川 耕司 山梨大学, 医学部, 助手 (90293472)
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キーワード | エストロジェン / 細胞増殖 / プロラクチン / 下垂体前葉 / インスリン / 成長因子 |
研究概要 |
初代培養下垂体前葉細胞を用いた前年度の研究において、エストロジェンのプロラクチン産生細胞に対する増殖促進および抑制作用が現れる培養条件が決定されたので、今年度はプロラクチン産生細胞株を用いて同様の実験を行った。 1 GH_3細胞株を用いた実験 (1)初代培養下垂体前葉細胞と異なり、増殖レベルが高いGH_3細胞株では、細胞密度を5分の1に減少させること、preculture mediumからインスリンを除去すること、culture mediumからBSA以外のsupplementsを除去することが必要であった。 (2)初代培養下垂体前葉細胞と同様に、エストラジオールはinsulin-like growth factor-1(IGF-1)による増殖促進を抑制し、一方、血清による増殖促進を増強したが、基礎増殖に対する促進作用は観察されなかった。 2 GH_4C_1細胞株を用いた実験 基礎増殖に対するエストラジオールの促進作用が確実に認められる培養条件をGH_3細胞株では確立できなかったので、GH_3細胞株よりもエストロジェンに対する感受性が高いと考えられているGH_4C_1細胞株を用いて実験を行った。 (1)GH_3細胞株と異なり、IGF-1の増殖促進作用を抑制するためにはsupplementsが必要であった。10nMエストラジオール単独によって基礎増殖が促進されたが、この促進作用が現れるためにはsupplementsを除去する必要があった。 (2)甲状腺ホルモンであるT3も増殖を促進し、この増殖促進作用がエストラジオールによって抑制された。 3 cyclin D1発現に対するエストロジェンの効果 細胞周期を調節するcyclin D1蛋白の発現をプロラクチンとcyclin D1の2重免疫染色によって調べると、cyclin D1陽性プロラクチン産生細胞率はエストラジオールによる増殖促進および抑制と平行して変化した。
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