研究課題/領域番号 |
13670066
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境生理学(含体力医学・栄養生理学)
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研究機関 | 広島女学院大学 (2002-2003) 徳島大学 (2001) |
研究代表者 |
坂井 堅太郎 広島女学院大学, 生活科学部, 助教授 (60196037)
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研究分担者 |
山本 茂 徳島大学, 医学部, 教授 (70093896)
三浦 芳助 広島女学院大学, 生活科学部, 教授 (30249586)
谷澤 久之 広島女学院大学, 生活科学部, 教授 (60117778)
湊 義博 徳島大学, 保健管理センター, 教授 (00035768)
太田 房雄 徳島大学, 医学部, 教授 (90035478)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | 経口免疫寛容 / アレルギー / 食物 / タンパク質 |
研究概要 |
生体には経口的に摂取した食品成分に対しては、免疫反応を抑制しようとする経口免疫寛容機構が腸管組織に備わっている。食物アレルギーの発症は、この食品に対する経口免疫寛容機構がうまく働いていないために引き起こされているとも理解される。本研究において、まず宿主のタンパク食の違い(5%と20%)が経口免疫寛容に与える影響を調べたところ、オボアルブミンを抗原として用いた経口免疫寛容は5%タンパク質食群で強く誘導される結果を得た。つまり、血清中の総IgE量、オボアルブミンに対する血清中の特異的抗体価(IgE, IgGI, IgG1)も低タンパク食群の動物で低かった。また、アレルギー疾患の発症には、IL-4などのTh2サイトカインの作用が重要な役割を果たしているが、5%タンパク質食群で経口免疫寛容が強く誘導される結果を反映するように、脾細胞からのIL-4の産生能は大きく低下していた。一方、宿主のタンパク質食を20%とし、タンパク質の質についてカゼインと分離大豆タンパク質の違いが経口免疫寛容に与える影響を調べた。その結果、卵白アルブミンに対する経口免疫寛容は血清IgE抗体で、分離大豆タンパク質食群がカゼイン食群に比べて強く誘導される結果を得た。つまり、経口免疫寛容を誘導した動物の血清総IgE量および卵白アルブミンに対する血清特異的IgE価は、分離大豆タンパク食群でカゼイン食群の動物に比べて低く抑えられていた。本研究により経口免疫寛容を誘導する栄養状態は、タンパク質食の量と質の両面に影響を受けていることが明らかとなった。また、経口免疫寛容を強く誘導することが食物アレルギーの予防にも繋がると思われるが、タンパク質源として大豆タンパク質の有用性も示唆された。
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