研究課題/領域番号 |
13670085
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
松野 浩之 岐阜大学, 医学部, 助教授 (40273148)
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研究分担者 |
丹羽 雅之 岐阜大学, 医学部, 助教授 (40156146)
小澤 修 岐阜大学, 医学部, 教授 (90225417)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | 静脈血栓 / アルファ2アンチプラスミン / ノックアウトマウス / 線溶系 / 肺塞栓 |
研究概要 |
食生活の欧米化がよりいっそう定着し、若年層においてもファストフードなどによって脂質摂取量の増加が社会現象として認識されている。さらに極端な高齢化社会を迎える今世紀は、虚血性疾患である心筋梗塞・脳梗塞の原因と考えられる血管病変の発症は増加するものと考えられ、これら疾患の予防・治療はたいへん重要なものと考えられる。また、最近ではこれら動脈血栓が主たる要因の疾患のみならず静脈血栓の臨床的意義(エコノミークラス症候群、関節置換術後の肺梗塞・深部静脈血栓など)が注目されている。欧米諸国において静脈血栓は入院臥床後や外科的手術施行後約10%の患者に見られ、これらが原因として誘発される肺塞栓由来の突然死も問題とされている(日本でも最近その増加が指摘されている)。これらの対処方法として従来、ヘパリンを中心とした凝固因子制御による静脈血栓治療の研究が基礎研究から臨床応用を通して知られているが、線溶系因子についての細かい研究報告はまだ少ない。我々は今までに小動物(ラット・ハムスター・マウス)における簡便で有用性の高い血管病変モデル(血栓、血管肥厚、動脈硬化)を確立し、これらを用いて数多くの薬理・生理学的検討を重ね臨床における新たな治療方法の確立と新薬の可能性を示唆してきた。今回、これらの経験をふまえて特に静脈血栓の成因とその制御と静脈血栓由来の肺塞栓の成因を線溶系ノックアウトマウスならびに各種単離培養細胞を用いて実験的に研究した。さらに線溶系因子の阻害物質(PAI-1,alpha2-APなど)を制御することが静脈血栓および血栓由来肺塞栓の予防・治療の新薬になりうるかを分子薬理学・細胞生物学の観点から実験した。 本研究は、現在なを継続中の研究であり各種虚血疾患における血小板・線溶系因子の相互の関与がより臨床病態に近い状態で解明されつつある。本研究の成果は臨床における新しい疾患予防・治療方法の確立に貢献できるものと考えられる。
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