1.invivoマウス海馬歯状回において、高頻度電気刺激による長期増強現象発現1時間後にニコチン腹腔内投与を行なってもさらなる増強は認められず、又、ニコチンの腹腔内投与による長期増強様作用発現1時間後に高頻度電気刺激を加えてもさらなる増強は認められなかった。よって、ニコチンによる長期増強様作用と高頻度電気刺激による長期増強現象は一部共通のメカニズムを持っていることが示唆された。2.ラット海馬において、ニコチン受容体α7 subunitに対する抗体を用いて電顕免疫組織化学的に検索した所、pre-synapseにα7 subunitの局在を認めた。3.α4β2ニコチン受容体アゴニストであるepibatidineをマウス腹腔内投与を行なった所、in vivoマウス海馬歯状回において、ニコチンと同様に長期増強様作用(但し、spike amplitudeの増強程度はニコチンの約半分であった。)が発現した。さらに、epibatidine投与1時間後に、α7ニコチン受容体アゴニストであるcholineを投与した所、spike amplitudeのさらなる増強が発現し、それは、ニコチンによる長期増強様作用のspike amplitudeにほぼ致した。また、choline投与後に、epibatidineを投与しても同様の結果が得られた。よって、ニコチンによる長期増強様作用は、α7、及び、α4β2ニコチン受容体の相加作用であることが示唆される。
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