研究概要 |
血液脳関門(BBB)in vitro再構築系を用いたPentosan polysulfatcの血液脳関門(BBB)保護効果を検証した今年度の成果として、本研究の基盤をなすBBB in vitro再構築系の改良に成功した。生体では、BBBは内皮細胞、ペリサイト、およびアストロサイトより構成されているが、これら3種類の細胞共存培養系から成るBBB in vitro再構築系を,初めて確立した。この系を用いて,第1段階の実験として低酸素によるBBB機能低下に対するPentosan polysulfateの効果を調べた。3週令Wistarラットより前脳を摘出後,酵素・遠心処理し、毛細血管片を分離した。fibronectinとconagen type4をコーティングしたdishに培養することにより内皮細胞を分離し、コーティングをしていないdishに培養することでペリサイトをovergrowthさせた。アストロサイトは2日令Wistarラットよりshaking methodを用いて分離した.これらの細胞を2腔培養系transwellを用いて培養し,BBB in vitro再構築系を作成した。低酸素キットを用いて、6時間の低酸素負荷後に経内皮細胞電気抵抗、経内皮細胞透過性(Evansblue, Sodium fluorescein)を測定した.低酸素負荷により、電気抵抗は約50%に減少し、透過性は亢進しBBBの機能低下が著明であった。6時間の低酸素負荷を、内腔側Prntosan polysulfate 100μg/ml存在下に行ったところ、経内皮細胞電気抵抗の低下が有意に抑制された。また、Sodium fluorcscencc(大分子のparaccllular transport)、およびEvan's blue-albumin(小分子のtransendothelial transport)の透過性の亢進が抑制された。以上、Pentosan polysulfatcは、低酸素負荷によるBBBの機能的破綻を防御することが明らかになった。
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