研究課題/領域番号 |
13670099
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
塚原 富士子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40119996)
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研究分担者 |
吉岡 俊正 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (60146438)
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キーワード | heat shock cognate protein 54 / heat shock cognate protein 70 / 核外移行シグナル / CRM1 / leptomycinB / 熱ショックタンパク質 / 分子シャペロン / 細胞内局在 |
研究概要 |
1)構成型熱ショックタンパク質(Hsc)70は、分子シャペロンとしてペプチドのフォールディング、種々のストレスによって変性したタンパク質の品質管理、タンパク質の細胞内輸送に関わることによって、細胞機能の調節に重要な役割を持つ。本研究では、Hsc70/54の核-細胞質間移行のメカニズムを明らかにするために種々のHsc70/54変異体とgreen fluorescent protein融合タンパク質を細胞内に発現させ、細胞内局在を検討した。その結果、Hsc70の核内局在に必須の配列nuclear localization-related signal (NLRS)および核外移行シグナル(NES:^<394>LDVTPLSL^<401>)を決定した。Hsc70では、NLRSがNESの機能を阻害するため、核および細胞質に局在するが、NLRSをを欠失しているHsc54は、NESの働きが強く現れ核から細胞質へ速やかに移行し、主として細胞質に局在することが示唆された。 2)グルココルチコイド受容体の核外移行制御機構におけるHsp90の役割について検討し、核内Hsp90はグルココルチコイド受容体の核外移行に抑制的に働いていることを明らかにした。 3)Hsp90阻害薬は、グルココルチコイドによるNF-κBおよびAP-1の阻害作用を抑制し、ステロイド薬の抗炎症作用を阻害する可能性を明らかにした。 4)慢性骨髄性白血病発癌分子(BCR-ABL)の分解制御機序を検討し、BCR-ABLを基質として認識する分子シャペロン依存性E3 ligaseを明らかにした。
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