1.ラット気管支平滑筋におけるACh誘発RhoA translocationに関与するムスカリン受容体サブタイプを検討した。M2受容体遮断薬methoctramineとM3受容体遮断薬4-DAMPを使用したが、4-DAMPのみによってRhoA translocationと気管支収縮が抑制されたことから、AChのこうした一連の作用はM3受容体を介することが明らかになった。 2.ラット気管支平滑筋細胞を酵素液で単離し、スライドガラス上で固定し、RhoAの一次抗体と二次抗体を用いて、細胞内Rhoaの局在を観察した。ACh処置によりRhoAは細胞膜周辺へ移行することが、共焦点レーザー操作蛍光顕微鏡によって明らかにでき、収縮反応との関連性が証明できた。 3.CPI-17は平滑筋特異的phosphatase阻害タンパク質であるが、ラット気管支平滑筋においてこのタンパク質が存在すること、またACh処置により濃度依存的に細胞内CPI-17のリン酸化が亢進し活性化されていることが明らかになった。このリン酸化がprotein kinase C阻害薬であるcalphostin CやROCK阻害薬Y-27632で阻害されることが示され、ACh収縮は一部CPI-17リン酸化を介していることが示唆された。 4.サイトカインであるTNF-αを24時間ラット気管支平滑筋とインキュベートするとhigh K^+の反応には影響ないが、ACh収縮反応を増強することが明らかになった。
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