研究概要 |
1.55kDa(ClP55)以外の塩素イオンポンプサブユニットcDNAのクローニングラット脳より細胞膜面分を可溶化し、CMセファロース、MonoQカラムによるHPLC分離後、塩素イオンポンプ/ATPasc活性を保持する分画を用いて、以下の方法によるClP55以外の塩素イオンポンプサブユニットを検索した。 (1)抗体結合による方法 抗GST-ClP55組換え蛋白質に対する特異抗体を結合した親和性カラムを作成し、上記の塩素イオンポンプ粗抽出分画を吸着後、溶出した。得られたサンプルをSDS-PAGEにより分離し、PVDF膜に転写後、膜のCBB染色を行なった結果、ClP55以外の蛋白質は、5種類(72,62,51,49,46kDa)存在することが明らかになった。 (2)蛋白結合による方法 GST-ClP55組換え蛋白質をGSTrap FFカラムに結合した親和性カラムを作成し、上記の塩素イオンポンプ粗抽出分画を吸着後、溶出した。得られたサンプルをSDS-PAGEにより分離し、PVDF膜に転写後、膜のCBB染色によって、ClP55以外の蛋白質は3種類(62,51,49kDa)存在することが明らかになった。 2.ClP55とATPase蛋白との結合性の確認 上記の塩素イオンポンプ粗抽出分画をATP結合カラムに吸着させ、ATP溶液で溶出した。得られたサンプルをSDS-PAGEにより分離し、PVDF膜に転写後、抗ClP55抗体によって検出したところ、ATPasc蛋白とともにClP55が存在することが明らかになった。 以上に結果から、塩素イオンポンプは、ClP55を含めて少なくとも4種類の異なった蛋白質より成ることが明らかとなった。
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