| 研究概要 |
(目的)thioredoxin (TRX)遺伝子の活性化機構の情報を利用してTRXの病態における意義や発生における役割を解析し、TRXの機能解析を行う。
(成果)1)TRX遺伝子のヘミンによる活性化機構にはantioxidant responsive element (ARE)を介した転写因子Nrf2およびsmall Mafによる調節が重要であることを示した。そのAREには定常状態ではNF-E2p45/small Mafが、ヘミン刺激ではNrf2/small Mafが結合する。またPMA刺激ではAP-1蛋白が結合する。これらの蛋白の核内での発現量の調節がARE活性化の制御に重要であることを明らかにした(Kim他.,JBC,2001)。さらにtertial butylhydroquinone (tBHQ)が同様の機構でTRX遺伝子を活性化し、その活性化にp38MAPkinaseが関与することを示す結果を得た。
2)TRX遺伝子プロモーター上でNGFに反応する部位はcyclic AMP responsive element類似配列を含む部位であることを明らかにした。
4)多環芳香族炭化水素メチルコラントレン(MC)によるTRXの転写活性化にXRE様配列、SP-1結合配列が必要な知見を得た。さらにMCによるストレスシグナル機構を明らかにした(Kwon他,JBC,2002)。
5)これらのプロモーター制御情報をもとにプロモーター上の配列をターゲットにしたノックダウンベクター作成のため、TRX遺伝子のゲノムの必要部分をサブクローニングした。
6)TRXの抑制活性をもつTRX binding protein-2/vitamine D3 up-regulated protein 1 (VDUP-1)のノックアウトマウス作成のための準備としてゲノム単離、遺伝子調節領域の解析を行った。
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