研究課題/領域番号 |
13670143
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
福井 清 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 教授 (00175564)
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研究分担者 |
冨田 優美子 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助手 (00089913)
坂井 隆志 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助教授 (80284321)
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キーワード | D-セリン / D-アミノ酸酸化酵素 / グルタミン酸受容体 / アストロサイト / RT-PCR / CG-4 / C-6 |
研究概要 |
哺乳類脳内に存在するD-セリンはグルタミン酸受容体のうちNMDAサブタイプ受容体のグリシンサイトに作用する。また、D-セリンはタイプ2アストロサイトに存在するとの報告がある。このD-セリンを代謝分解しうる唯一の酵素として知られているのがD-アミノ酸酸化酵素(DAO)であり、哺乳類脳においてもその活性が報告されている。本研究では、ラット大脳皮質および小脳由来のアストロサイト高純度培養系を確立し、各種アストロサイトにおけるDAO遺伝子発現を検討した。 新生ラットより大脳皮質および小脳を取り出し、初代培養系として培養フラスコ内で混合細胞培養した。振とう機を用い接着性の違いにより各アストロサイトを分離した。さらに高純度培養を得るため、タイプ1アストロサイトについてはcytosine arabinoside処理を実施し、新たに形成されるグリア前駆細胞(O-2A progenitor cells)およびマイクログリアを死滅させることにより純化した。一方、タイプ2アストロサイトについてはイムノパニング法を組み合わせマイクログリアおよびタイプ1アストロサイトを取り除きグリア前駆細胞を純化し、未分化状態で増殖させた後分化させることにより高純度で目的細胞を得た。その結果、小脳由来のタイプ1アストロサイトでは大脳皮質由来のそれに比べて高いDAO遺伝子発現が認められた。また、小脳においてはタイプ1アストロサイトがタイプ2アストロサイトに比べて高い発現を示した。初代培養細胞で得られたこれらの結果を検証するため、細胞株として樹立されたアストロサイトにおいても同様にDAO遺伝子発現を検討した。その結果、タイプ1アストロサイトに相当するグリオーマ細胞株であるC6では、株化タイプ2アストロサイト(CG-4 derived type-2 astrocytes)より高いDAO遺伝子発現が認められた。
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